インドは広い国だけど、北部の炭やきはとげのあるアカシアの木(写真1,2,3)を使ってやくところが多い。この木は乾燥したところでも成長できる強い木で、しかもとげがあって動物に食べられないから他の草木がまったく生えていないところでも生き残ることができるんだ。しかも幹はとてもかたくて(写真4)、炭にやいてもとてもかたい(写真5)。また、伐採した後も切り株から芽が出てきて成長するから(写真3→2)植える必要もないという、まさに炭やきにぴったりの木なんだよ。
【写真1】
【写真2】
【写真3】
【写真4】
【写真5】
やき方は窯を使ってやく方法と、窯を使わないでやく方法と2種類ある。まず、窯を使う方法は写真6,7のように粘土やレンガの窯を作り、その中にぎっしり木を詰めて(写真8)火をつける。写真6の窯の表面に穴をふさいだ後が見えるだろう?はじめは煙が上の穴から出てくるんだけど、だんだん穴を上からふさいでいって下の方から煙を出すようにするんだ。やがて一番下の穴から煙が出るようになったら炭化終了ということで、すべての穴をしっかりふさいでしばらくおいとく。すると何日か後には立派にやけた炭が取り出せるという仕組みだ。
【写真6】
【写真7】
【写真8】
窯を使わないでやく方法は写真9〜13を見てほしい。まず1mくらいに切ったアカシアの木を山に積んでいく(写真9,)。使う道具はナタ一本だけだ。しっかり山ができたらその上に枯草をのせて乾いた土をかぶせるんだ。写真10に小さな山が三つ見えるだろう?そう、左がアカシアを積んだもの、真ん中が枯草、右が上にかぶせる土だね。アカシアの山を積むときに前もって真ん中へ通じる道を作っておいて、火をつけるときはその空間を通ってスムーズに煙が真ん中まで届くように工夫してるんだ(写真11)。窯をつくらないでやくところは乾燥してることが多いから、火もすぐついて煙もよく回るよ。焚き口はほんの10分くらいでふさいで後は煙が出ているところを乾いた土でふさぐだけ。この窯の世話は子どもの仕事なんだ。写真12はかなり炭化した状態だけど、この少年は土投げ名人で、ちゃんと煙が出たところに土をフワっとのせるんだよ。感心したなあ。やがて写真13のように山が小さくなってきたら端から取り出していくんだ。このような乾燥地帯では野菜もできないし、草が生えないから家畜も飼えない。生活していくためにはアカシアを炭にやいて売るしかないんだね。とげがあって大変だけど、この木だけがこの子たちの生活を支えてくれるんだ。まさに炭とともに生きる暮らしだね。
【写真9】
【写真10】
【写真11】
【写真12】
【写真13】
こうしてできた炭は町に送られて、多くはチャパティやナーンという薄いケーキをやくのに使われるんだ。とてもおいしくてインド人は毎日これを食べてるんだよ。それからタンドリーという釜で肉をあぶるのにも炭が使われてる。インドではまだまだ炭が日常生活で使われてるんだね。毎日炭やき料理を食べてるなんて、インド人はやっぱりグルメ?